「はじめてのおつかい」のお話しの続きです。
(まだの方は
最初から読んでくださるとありがたいです。 )
自転車で戻って来たお母さんは、女の子をなだめますが泣き止みません。
私は思いました。
「これでだめかもしれないなー」
仏様が待つお婆ちゃんの家には行けないかも・・
でも、さすがお母さんですね。
泣いても送り出されましたよ。
女の子は ヒク ヒク 泣きながら一人で歩き出しました。
最初の横断歩道で信号を待ち、おばあちゃんの待つ家へ。
手にはお供え物のお饅頭。
だいぶ泣き止み、おばあちゃんの家に到着。
かぶってる帽子の中の髪は汗でビッショリです。
ほっとしたのか、おばあちゃんの顔を見るなり泣き出してしまいます。
抱き寄せるおばあちゃん
泣きながら抱きつく女の子、
おじいちゃんの仏壇にお饅頭を挙げてもらい、仏様にお参りをします。
おばあちゃんに玄関まで見送ってもらい、お母さんに頼まれていたお買い物に出かけます。
今から行くお店は、おばあちゃんの家からしばらく歩かないといけないのですが頑張ります。
一軒のお店で、お花を買います。
お店のおじさんに、ちゃんと言えましたよ。
「お花を下さい」とね。
お金を支払い、おつりももらいます。
次はお隣のお肉屋さんへ、
ベーコンを買います。
ここでも一人でお金を支払い、おつりをもらいます。
お店の人に、自分の買いたいものを言え、お金を払い、お釣りをもらうなんて今日が初めてですものね。
ドキドキしただろうと思いますよ。
女の子のお父さんは、この日仕事に出かけていて朝からお会いする事が出来ずにいたのですが、
お母さんから後から聞いたのですが、
お店の反対側の歩道の木の陰から、こっそり見ておられたそうです。
私は知らなかったものですから、映像に残せませんでした。
残念です。
さぁ、女の子は、おばあちゃんの家までお買い物を持って帰ります。
帰りは、泣くこともなく、汗をかきながら無事おばあちゃんの家に到着です。
おばあちゃんに迎えられ、買ってきたお花(菊の花)をおじいちやんの仏壇にお供えしてもらい
ホットした様子。
私はまたまた思うのです。
おじいちゃん、キット喜んでるよ。
「偉かったね。」
「一人でお買い物できたんだね。」
「暑かっただろうね」
って言ってるよ。
女の子は、お母さんの待つ家まで帰る準備を始めます。
おばあちゃんから、おみやげにぶどうをもらいます。
帰ったら皆で食べるようにと。
ベーコンはお母さんの待つ家まで持って帰ります。
リュックにぶどう、ベーコンを入れ、帽子をかぶり
玄関で「バイバイ」と手を振り、さー出発です。
帰りはそんなに苦労もなく、ニコニコまでは無くひたすら歩きます。
途中、家で待ってるはずのお母さんが、女の子のお姉ちゃんと、
弟と3人でお迎えに来てくれているではありませんか。
女の子は、チラッと目をやっただけで反応しません。
嬉しくないのかなーと思ったんですが、ちょっと照れ隠しのようでした。
お母さんとの距離が近ずくと、「にっこり」今までで一番のいい笑顔。
そしてお母さんに抱きついたのです。
4人で家路までおしゃべりをしながら帰って行きました。
こうして無事「はじめてのおつかい」は終わりました。
どうして今回の私どもの企画をご利用下さったかを尋ねましたら、
女の子は、3人の姉弟の真ん中で、一番手をかけて無かったのをずーっと気にしておられたようです。
納品の際、お父様、お母様、3人の子供さんと観ていただきました。
お父さんの目から涙、
お母さんの目からも涙、
私の目からも涙、
スタッフの目からも涙
こんな感動を味わってみて下さい。
どうしても溢れてきます。
女の子もすごく成長したと聞きました。
子供さんの婚礼の日に、会場で流されることでしょう。
皆さんにも、この子の結婚式の光景が眼に浮かびますか?
初美